補足 | 一目均衡表日記

補足

 何回かブログ上で載せたテキストのコメントは2000年から二年間ほど定期的に書いていったものであり、当時の日経平均株価は2万円を超えたものの、結局は戻り相場に過ぎなかった事を明らかにしつつ変動している時期でもありました。


当時私にとって大変ショックだった事は、既に89年までのバブルを経験しているはずの私以上の世代の人たちが、IT相場を全く違うものとして捉えていた事であります。

およそ人の認識ほど当てにならない事はない、と痛感しつつ、もしかしたら一般者は一目山人の時代と現代とでは相場変動のメカニズムは全く異なるものと考えて、その為に山人の思考法について思いを馳せる事無く手前味噌な独自の解釈をして均衡表を理解しているつもりになっているのではなかろうか。と考えて書き綴ったものでもあります。


 相場変動を考える上で一番重要なポイントは何か、私は瞬間ごとに決済(の約束)が成される事である、と考えます。A社の株価500円はその瞬間の売り手と買い手の一致点に過ぎず、その会社の本質的な価値を意味するものではありません。しかし決済が連続的に継続して成されつづける事によって、その会社(価値)に対する認識は変化する訳でありまして、株価の上昇がその会社にとって益するのは、その実質的価値を高める為の時間的猶予を与えられる点に過ぎないと私は考えます。


 その意味において、ネット取引、デイトレードが主になろうがなるまいが、本質的に相場変動が変わるという事は無いのでありまして、このテキストを書きながら私の均衡表に対する胎も決まってきた、という思い入れの深いエッセイであります。