カントについて | 一目均衡表日記

カントについて

 二律背反については相場方向性を問題にする場合肝に銘じておかねばならないと考えます。

基本的には将来の方向、等というものは上げるとも下げるとも、また動かないとも判断しうるものでありまして、多くのテクニカル分析信奉者のように直感的判断で起点を変え、判断方法すら変化させているようでは、結果的に自分の望む(期待する)想定をしがちなのであります。


 そもそも上げる、下げる、という概念そのものに問題があるわけでありまして、一目山人が相場研究の出発点でこれをきちんと整理している点は良くご理解いただきたいと思います。


 それは別として一目山人の哲学への興味は、そもそも仏教に対する興味から始まっているのであります。

明治の日本の仏教界はその存在意義を問われる時代でもありましたから、積極的に西洋哲学を取り入れます。現代では日本仏教学とも言うべき研究成果をほこるものでありますが、山人の若かりし頃はまだなお実験的、その認識が浸透するまでには到っていない気がします。

例えば金子大栄師の大正時代の講演禄などを読みますと一般向けになされているはずの話の中に、いたるところで哲学用語が出て来ます。

何も相場を判りきる為に哲学を勉強せねばならぬという主張が私のエッセイの中にあるわけではなく、人それぞれ思考の流れによって出会うべき思考がありますので、これをきっかけに、先人の優れた思考に触れて頂ければ良いと思います。