テキスト補足 | 一目均衡表日記

テキスト補足

 10月12日に載せた文章を書く前に、シャーロックホームズの方法論を例に挙げ、本質的な意味で一目山人の思考法はシャ-ロックホームズと同様であることを書きました。パソコンを壊してしまい、当時の文をお見せする事が出来ませんが、参考文献として、「シャーロックホームズの記号論」「シャーロックホームズの論理学」のどちらを紹介すべきか少しだけ悩みました。


 結果的には岩波から出ている「シャーロックホームズの記号論」を選んだのでありますが、前者は実際にはアメリカの哲学者パースとホームズの共通点を論じたものであり、後者は題名通りホームズの方法論が論理学そのものである事、明快に説明している本でした。


前者を選んだのには次の二つの理由がありまして、一つはパースの「アブダクション」、直観的判断の重要性を特に強調すべき、と考えたからです。

もう一点は「シャ-ロックホームズの論理学」の結論を私自身素直に受け入れがたい事が理由としてありまして、同様に確からしい結論に対してどのような対処を取るべきか、という点において、均衡表読者に早合点をしていただきたくなかったのであります。

「シャーロックホームズの論理学」では当時の新しい学問である確立、統計学の影響を重視しておりまして、合理的に結論づけられるいくつかの仮説に対しては確立の高いであろう方を選択するするのがホームズの方法論であると説明しています。

これだけを読んでしまうと頭でっかちな単純な論理系だけで相場変動を捉えてしまう人が出かねないと言う事で「記号論」の方をご紹介しました。


 それは別にして、当時読書を進める中で、ホームズ物語の作者であるドイルとマックスウェイバーと一目山人の共通点が気になって仕方ありませんでした。共に近代人的価値観を共有しておりまして、山人と同世代の日本人に対する視点が変わる事となりました。