一目山人 | 一目均衡表日記

一目山人

 久しぶりに部屋を整理していたら、祖父の写真が何枚か出てきました。一緒に写っている父の姿が小学生くらいなので、多分50代後半の写真だと思います。晩年の山人の写真は勉強会に出席した方々にお見せした事がありますが、その写真と違って若いときの一目山人は近寄りがたい雰囲気です。

 そのうちの一枚は玄関先で撮ったものですが、表札に「山瀬正則」と書かれていて、山瀬氏の自宅に招かれたときの写真である事がわかります。昭和30年代から株をやっている方はご存知でしょうが、山瀬氏は今は無き山一證券の株式部長として一世を風靡した人物です。一目山人が山瀬氏だけでなく、副社長(実質は社長)大神一氏らと親交厚く、また大きな影響力を持っていた事を知る人は今ではほとんどいませんが、それは山一が破綻した事と無縁ではありません。当時の山一の経営者は破綻に際し、私財をさしだして、経営が持ち直した後は何も語らず、兜町を去っていきました。山人よりも皆早く亡くなったので、最も脂の乗っていたころの山人を知る人は誰もいない、という事です。 しかし一目均衡表の原著読者だけは、山人の思考法、現実処理方法をほんとうの意味で理解する可能性を持っているのでありまして改めて原著と読者の関係のすばらしさを感じます。機会があったら写真も公表します。