方向性が大事 その1 | 一目均衡表日記

方向性が大事 その1


 一目均衡表は相場の方向性を判断する為の道具であります。上げか、下げかがその時点で常に正しく判断できるものならば、方向性という言葉を使う必要はありませんし、相場で儲ける事も簡単であると言えるでしょう。
 一目山人と同時代の相場関係者は、相場の方向が常に判断出来るなどとは思っていませんでした。押し、戻り、という言葉はこの事を象徴しておりまして、上げを、上げと戻り、下げを下げと押しに分けて考えると言う事は、判断出来る場所と、判断保留の場所を分けて考えている事になるでしょう。株式用語辞典等には、押し、戻りはその時点では客観的に判断出来ないため現在ではただ単に下げを押し、上げを戻りと、慣習として使う、と説明されています。押しと、戻りに特別な意味を持たせないのならばこの言葉は使うべきではありません。なぜなら押し、戻りという言葉は、私達が相場の値動きを方向として認識せざるを得ないという現実を、何とか処理する為の一種の発明であるからです。鍵足、新値足等の罫線はこの考え方が典型的に現れていまして、記入する事自体が上げか下げかを明確にするものとなっています。
 少なくとも昔の人は押し、戻りの判断が直感的なものに過ぎない事は知っていました。その上で、実際の変動と照らし合わせて、ある瞬間に賭けたのであります。当たり前すぎる事を書いていますが、この様な認識無しに均衡表を理解する事は不可能ですし、いくら知識を増やしても無駄であります。これから機会を設けて続きをコメントしていきます。