一目均衡表日記 -127ページ目

相場水準のこと

  日経平均株価については、今週金曜日の勉強が終わるまで少し書くことを控えます。今日は昨日の続きを少しコメントします。

 割安な株を買い、割高な株を売る、これは基本的にはファンダメンタルズ分析の方法論であるといえるでしょう。色々と分析した結果、論理的に導くのは相場水準であり、相場水準の高低によって、結果的に相場の方向性を導くものであります。現状ではAという水準にあるはずである株価が、Aよりも割安であれば、Aに近づいていくはずなので、上げ、要するに買い、逆であれば売りという考え方となります。

 

 この様な考え方自体には反対する理由がありませんが、一般化されている、水準論に対しては大いに批判の目が向けられるべきでありまして、相場水準と株価との関係がわたしたち納得出来るように一般化されているとは思えません。

 例えばある株価の相場水準が妥当な位置にあるとき、どのような形で相場水準との乖離が起こるのか、また、割安株が、上げていって、妥当な相場水準となった時、このまま割高になっていくのか、それとも割安になっていくのかなど、ごく当たり前に起こる疑問点が何一つ整理されていないように感じます。

 

 テクニカル分析の場合はもっと酷い状況でありまして、分析した結果、何を論理的に導きたいのかも明確ではなく、あるときは相場水準に、あるときは転換サインに、論理性なく力点を変えて、相場解説をしているように思います。分析した結果、直感的な判断しか出来ないのであれば、分析などするだけ無駄のように思いますが。

そのような訳で、一目山人の相場変動論と方法論をテクニカル分析の範疇で語られる事は、非常に迷惑な話でありますが、一目均衡表においても相場水準についての一応の考え方はありますので、誤解して欲しくないのです。 今週は少し均衡表の考え方を述べながら、中国株の指標(上海B株)を見ていきたいと思います。

一目均衡表のこと

 一目均衡表は時間論、波動論、水準論から成り立つなどと説明された文を読んだ事のある人は多いと思います。この様な説明をする人が本当に、時間論、波動論、水準論というものを、それぞれ分けて論理的に整理しているか私は疑問に思っています。

 このように分けて、それぞれをしっかりと整理する事は、研究の初めには大事な事でありますが、いつまでたっても三者が結びついてこないようならば、これは勉強の仕方が間違っています。

 

 結論から言えば、波動論に対する理解なしに、時間論も水準論もあり得ません。一目均衡表で問題にしているのが、相場の方向性である以上、そして損失を出さずに儲けることが目的である以上、は波動論の理解が絶対に必要なのです。波動論といえば難しく考えがちですが、要は押しだから上げる、戻りだから下げる、という極めて単純な判断方法を出発点としておりまして、ならば相場の起点をどこに置くべきかが大きな問題点になるはずです。

 均衡表の図表もまた基本的には押しの限界、戻りの限界を見るものでありまして、これらの線が押しとしても、戻りとしても機能していないならば、要するにモミアイ相場と言えるでしょう。均衡表各線は基本的には、半値関係を表しますから、線自体が相場水準として機能する可能性を常に持っています。

 

 私としては、均衡表ほど単純で、合目的なものはないと思っておりますが、多くの人が均衡表を難しく考える理由は、やはり自分の範囲でわかることと、わからないことをしっかりと分ける癖をつけないからだと思います。単純化して結論をだすべきポイントと、判断を保留して、複雑なものが単純化されるのを待つべき期間をしっかりと分けるならば、そんなに難しくはないと思うのです。ただし原著を読まずにこのような訓練が出来るかどうかは疑問でありますが。

駄文

  昨日の夕刊紙で竹中大臣の変節ぶりを批判する記事が載っていました。批判自体は別に興味はありませんが、その記事の喩え方が気になりました。「株屋がお客に上げるといって買わせたものを、自分の都合で、すぐに下げるといって売らせるような」という喩え方でありました。例によって正確には覚えていませんが、だいたいこのような意味だったはずです。

 

 昔の証券マンの相場観がころころと変わったのは、おそらく事実でありましょう。しかし、単なる手数料稼ぎの為にお客の資産を食いつぶすような証券マンは例外的であり、ほとんどはまじめにお客の利益を考えていたと思います。別にここでは証券関係者を擁護する事が目的ではありません。相場観がころころと変わる。ということは別に悪い事でもなく、当然の事である。という事を言いたいのであります。

 

 これまで、このブログでも、勉強会でも私は押し、戻り、という言葉をかなり意識して使ってきていますが、押し、戻り、という概念を用いて相場の方向を判断していく以上は、相場の変動によっては、判断が変わっていくのは当たり前のことであります。押しの限界はここまで、として相場を見ていて、実際に想定していた限界を超えて下げて来た場合は、単なる押しではなく、下げ相場として判断を変えるのが当然でありまして、判断が変わる事をあからさまに批判するのは間違いだと思います。

  株屋というのも随分人を馬鹿にした表現ですが、この夕刊紙は、たしか毎日のように推薦銘柄を挙げて、相場記事を載せているはずで、これらの記事が100パーセントあたっていて、読者に多大な利益を与え続けているのならばともかく、そうでないのならばもう少し真剣に読者の為になることを考えた方が良いです。私は株屋を馬鹿にしているのではなく、読者を馬鹿にしていると強く感じたものですから、長々と駄文を書きました。

 相場評論についてですが、100パーセント当たるものなどありえない訳でして、当たる事が相場評論の目的ではありえません。しかし相場に対して100パーセント正しく対処すべく、努力する事は大事であります。

日経平均株価のこと

 今日は少し大きな変動からの日数を確認しておくことにします。一波動が100日を越えるような変動は週足を使う方が楽ですが、相場の重要な節目においては、日足で丁寧に見る事も必要です。

 

 2003年4月28日安値7603円から出発して2004年4月26日高値12195円まで大きく上げた相場はその後、5月17日安値をつけてから、この高値と安値のレンジで推移しているといえます。大きく見れば中間波動ということになりますが、中間波動の終わりを見極めるにせよ、上昇三波動目をみていくにせよ、2004年4月26日までの上昇日数は重要となります。

 この場合どこを相場の起点として考えるべきかが大事でありますが、2003年4月28日安値は当然として、その後の安値、5月20日、5月27日も相場の出発点として考えておいた方が良いでしょう。いずれも転換線、基準線を押し目の限界として、上げ始めたポイントであるからです。そうしますと、第一波動の時間としては228日、233日、247日が重要な日数となりまして、この日数を2004年4月26日から、または5月17日から数えていく事になります。

また5月17日からは、228+12-1=239日目、244日目、258日目も重要です。

 日にちぐらいは皆さんに数えていただくとして、これらの変化日における相場の位置とその後の勢いによって、方向性を判断していきます。最大の時間は2003年4月安値から、2004年5月安値までの258日となりまして、5月17日から258日目は今年6月2日となります。今現在の相場が昨年4月高値を越えてきた場合には三波動の完成地点となり、超えられなければ、その時点で中間波動の一応の終了を考える事になりますが、どちらの場合も昨年暮れからの変動の影響力を考えて注意して判断せねばなりません。

 

 以前述べましたように、重要な時期において、計算値を取れておりませんので、いずれにせよそれほど上昇するとは考えていませんが、遅行スパンを悪化させる事なしに変化日を安値で迎えられるようならば、考え方を変えるかもしれません。

方向性が大事4  鍵足のこと  

 相場の格言に「頭と尻尾はくれてやれ」というのがあります。同じ意味で「天井売る馬鹿、底買う馬鹿」というものも、良く聞きますが、要するに離れで儲けなさい、ということでありましょう。

 

  私は本質を離れて教条主義に走る格言マニアが大嫌いですので、あまり格言集などは読みません。ですから上の言葉は正確ではないかもしれませんが、この格言は罫線の転換サインの本質を良く表していると思います。

 鍵足は記入する事自他が、相場の方向を確定するものである、と以前述べました。この場合の鍵足の転換サインは高値、あるいは安値を記入した時に出現する事になります。例えば200円幅の鍵足では、下げて来た相場が、200円以上の上げを演じて始めて安値が、また上げてきた相場が200円以上の下げを演じて始めて高値を記入する事が出来ます。機械的に転換サインを売買決定サインとしたときには、安値から少なくとも200掛ける2で400円以上の上げ幅がなければ、絶対に利益が出ない事は相場をやらなくてもわかることであります。転換サインどおりの売買ならば、初めから頭の200円と尻尾の200円を捨てているといえるでしょう。これは、値幅を変えたり、鍵足の波形をル買った場合も同様でありまして、結局は、転換サインの出現直後の相場の離れが大きければ大きいほど、楽に利益し、モミアイ相場が自分の想定どうりに行かないほど損失が出やすいものなのです。基本的には、罫線の転換サインというものの考え方は、鍵足と同様の思考法であります。

 

  一方で移動平均線や、その乖離率を使うものもありますが、この考え方自体は、平均値を一種の相場水準として捉えるものでありまして、やはり、モミアイと離れの関係をしっかりと理解する事なしに成績を上げる事は難しいと思います。

 

 とはいえ、モミアイと、離れ、上げ相場、下げ相場とモミアイ相場を厳密に定義づけして分けることは先ず不可能であります。なぜならば、人間の認識、がこれには大きく関わってくるからで、それならばどのような工夫をすべきか、真剣な人ならば当然考えるのでありまして、だからこそ均衡表では三波動を基本とする事を理解して頂きたいと思います。

思うこと

相場の方向は上げか、下げしかない、ということは誰もが理解できる事ですが、だからといってこれを正しく判断する事は容易ではありません。

 私は昨年から一目均衡表原著の読者でない相場関係者と接する機会が多くなりましたが、自分自身で判断出来るポイントとそうでないポイントをはっきりと分けていない人が多いのにはショックでした。私はマネージメントが大事という風潮を否定するつもりもなく、むしろ非常に大事だと思っていますが、相場の方向性について理解する事なしにマネージメントなどありえないと思うのです。先日友人から、先物のデイトレーダーが数ヶ月こつこつ増やしてきた利益を寄り付きから数十秒で溶かしてしまったという話を聞きました。雇われて相場を張る人は、与えられた資金を、色々な制約の中で増やして行かねばなりませんので、わかる時だけ相場を張る事は難しいかもしれません。しかし果たして一般者がプロと同じように相場と接していなければいけないでしょうか。私にはその点がどうしても理解できないでいます。

 日ばかりだけでなく、中国株投資なども、今現在の位置で直ちに投資せねばならないのか、色々な話を聞くに付け疑問に思います。例えば買いから入る以上は、少なくとも、下げの反発力を期待するか、上げ相場を期待するかのいずれかでありますが、下げ過程の半値戻しすらしていない相場を何故上げと期待できるのかが良くわかりません。少なくともはっきり確信できる判断方法を自分自身で身につけなければ、具体的な成果を上げ続けることは難しいと思うのです。


お知らせ、その他

  先ほど為替コメントを書き上げましたので、今日明日中にフォーチュンキャピタルホームページ上に載ると思います。参考にして下さい。

 先日から、多くのブログ読者からの励ましやアドバイスを頂くようになりました。感謝いたします。ファックスで文字の変更方法を教えてくださったKさんをはじめ、多くの方々に感謝します。

 ホームページはしばらく更新出来ませんが、勉強会の御申し込みはメールにて受け付けております。アドレスはichimokusanjin@jcom.home.ne.jpとなります。

4月15日(金)午後7時から9時まで、水道橋駅側、貸会議室内海にて行います。講師細田哲生、会費5000円で平均株価を中心に講義しますので、興味のある方はご参加ください。

 

 昨日は正月以来、久しぶりに休みを取って、妻子と過ごしました。今日から気持ちを新たにして、がんばるつもりです。

平均株価のこと

 3月7日高値から17日まで9日間下げ、18日に11922円高値、3月30日安値11506円円を経て、現在基準線、転換線ともに上抜けない状態となっています。

 3月30日からの反発は、9日間の下げを、9日間で償却という捉え方をすれば、また先行スパン上限で止まっていることを考えれば妥当なものと言えるでしょう。また2月10日から上げ日数17日に対して、下げ日数17日と考えても、反発すべきポイントと言えます。しかしだから上げ相場である、という判断はとても出来ないことはこれまでコメントしてきたとおりでありまして、今現在の戻りが簡単に基準線、転換線を上抜かないようであれば、昨年暮れから、均衡表が押し目として働いていた状態が、今度は戻りとして働き始める、つまり転換でありますが、そのような事を強く示唆してきます。

 今後、チョッキンでのでの変化日は、上げ日数、21日、26日30日と対等数として3月7日から21日目、26日目、30日目の相場の位置を確認する事となりますが、これまでの変動一昨年4月から昨年4月までの上げ相場から得られる変化日との対応によって、良く注意して頂きたいと思います。

経験的に理解する

 私がグラフをチェックする時には、先ず安値から高値、高値から安値の日数を数えます。対等数での三波動の変遷を捉えた上で、今度は安値、高値を出発点として、そこからの基本数値でどのような現れ方をしているかをチェックします。

 パソコンのソフトによっては、カーソルで二箇所を押すと、日数が直ぐに出てくるものもあるようですが、グラフを自分で書かないのならばせめて数ぐらいは自分で数えた方が良いと思います。理由はいくつかありますが、一目均衡表での判断では、直感的、あるいは経験的な判断の重要度が非常に高いという事もその理由のひとつです。

 一目均衡表という名前からもわかるように、このグラフから直感的に判断すべき事がいくつかあります。例えば実線が均衡表各線を上回っていて、なおかつ各線が押しとして機能しているならば、このグラフでは先ず上げ相場であるとの判断はすべきです。しかしこれが単なる直観に過ぎず、売買の判断に直接結び付けてはいけない事は、天井、底での均衡表を見ればわかると思います。

 天井では常に均衡表は好転状態、底では悪化状態でありまして、高値で買い、安値で売るということになりかねないからです。そこで直感的に上げと判断したならば、この相場は本来いつ、どの値段まで上げるのが妥当であるのかを、相場変動の変遷をチェックしつつ確認していく事となります。そのために基本数値、対等数値、計算値を使っていくいのですが、ここで問題になるのはどの安値を相場の起点とすべきなのか、という事でありまして、これもまた経験的な相場理解が必要となります。

 先ず騙されたと思って、数をご自分で数えてみて下さい。次のような変化を経てからの方が均衡表は身に付きやすいかもしれません。

1、基本数値、対等数値で、相場の変化が常に捉えられるかのような錯覚に陥る

2、あまりに多くの変化日が出るために、上げか下げかの判断が出来なくなる

3、判断可能なポイントと、そうでないポイントを分けて、適切な対処ができるようになる

  皆さんが3の段階になっていただければ、均衡表原著の本当のすばらしさも身にしみてわかると思いますが、私自身も大いに迷いながら判断を下しているのでありまして、おかゆをすすって適当な判断を下すべきではないのです。

  文字の大きさですが、このままの大きさで書いていくことにします。メールで対処法を教えてくれた方がいたので、この方法をこのまま載せます。ご自分で文字の大きさを変えてください。

マイクロソフト IE6.0の場合

1.[ツール] メニューの [インターネット オプション] をクリックします。

2.[全般] タブの [ユーザー補助] をクリックします。

3.[書式設定]の[Webページで指定されたフォントサイズを使用しない]にチェックして、[OKボタン]を押します。

相場の勢い

 一目均衡表読者でもある友人が、29日に株を買って失敗したようであります。彼は非常に勉強熱心ですので、自分の失敗の理由は良く分かっていると思いますが、おそらくは天井圏特有の値動きに乗るつもりであったのだと思います。大事な配慮が欠けていたのでしょう。

 それは、相場の勢いはどうか、という直感的な判断でありますが、具体的には、転換線を直ちに上抜く、あるいは下抜くという現れ方を見て判断するものと言えるでしょう。

3月23日の安値は基準線で止まっておりまして、ここから3日間、安値を割っては降りません。ですから、直感的な判断として、3月7日高値からの調整終了の可能性を考える事自体は決して間違いではありません。しかし、同じく23日から転換線が上値を圧迫し続けているのでありまして、調整後上げていくのならば、必ず転換線を上抜いていかねばならないはずです。ですから、単なる値動きを期待して買いに入るにせよ、転換線を上抜いて、相場の勢いを確認してから本来は入っていくべきなのであります。

 変化日後の反発力を良くチェックせねばならない理由も同様でありますが、ただ漫然とチャートを見ていて分かることではけしてありませんので、良く研究ください。

 先日から為替のコメントフォーチュンキャピタル社ホームページ上で始めております。今後為替についてはここでコメントしますが、為替をしない方も是非御一読下さい。