一目均衡表日記 -68ページ目

「最暗黒の東京」松原岩五郎著

いつ読んだのかは忘れてしまいました。岩波文庫で第6刷、1990年とありますから、90年以降であることは確かです。

ネットで検索するとすぐにたくさんの紹介文を見ることができるので、案外読まれている本なのかも知れません。


著者は松原岩五郎(1886ー1935)明治中期の東京下層民の生活実態を記録したルポタージュとの事ですが、描き出される生活実態の酷さよりもむしろ、著者の視点と思考順序にいたく感心した記憶があります。


例えば「夜店」では大都会で夜店が繁盛する理由について「下層社会の購買力が夜になってはじめて振るうからである」と述べています。例えば新聞(日刊紙)は朝一枚一銭五厘が夕方八厘、夜三枚一銭と値を下げていくとのこと。食料品のうち鮮魚などは特に値を下げる。下層社会の購買力では夕以降の物価で買うのが精一杯であるため、勢い夜店が繁盛する。

との事でした。

冷蔵庫はありませんし、物流の仕組みは現在とは比べ物にならないために頷ける話ではありますが、現代における夜の繁華街と全く構造が異なる点に驚かされたものであります。


国民新聞新聞で公表を得たものに加筆してまとめられた本というのも興味をひかれました。

片や貧民靴があり、片やそれらの生活を読み物として楽しむ(無論問題意識をもって読む人もいたでしょうが)いたという事実に考えさせれれるところ大でした。

国民新聞は後に都新聞と合併しますが、それはまた別のお話。

坂口安吾のエッセイでも京都の貧民靴の話があります。興味のある方はご一読を。


雑文

 今週もお疲れ様でした。

今週はへろへろになるまでがんばりました。

余裕ありと思っていたところ、株価予報の原稿が来週あたり締め切りだったことを思い出しました。

何か追いかけられているなあと感じつつ、気持ちを新たにしたいところです。


先ほど長男から電話があり、「お父さん遊びに来てね」と言われてしまいました。

毎日顔だけは合わせているはずですが、家にいないおじさんと思われているようです。


トヨタ自動車

 4月13日安値を割り込んだことで変化日5月22日までの変動で注視すべきは昨年12月6日安値6860円を割るか否かであります。

5月22日は昨年11月28日までの下落を第二波動と置いた場合の最大の時間関係でありまして(6月13日から11月28日まで116日、11月28日から116日目)、今年2月27日を中心と置けば12月6日からの上げ55日に対し2月27日から56日目という対等数の関係でもあります。昨年12月6日からの出発は昨年4月高値を相場水準とするはなれでもありまして、これを割ってしまえば2月からの戻りが基準線を一度も上回っていないだけに転換は容易ではありません。

週足で見れば先行スパンがまだ尚下に位置しておりますが、反発が見られたとしてもかなりの上昇力を見せねば基準線には達しないのでありまして、当面相手にすべきではないことを補足しておきます。



5月22日までに昨年12月6日を割らずに、準備構成が見られるときにのみ期待はもってよいかと思いますが、それ以前の反発であれば22日が高値の変化日となりやすく、やはり6860を割らず22日から反発でなければ厳しいかと思います。


以上、今週コメントが多くなりすぎましたので、ブログにて簡単にコメントしました。

お知らせ

 先日お知らせしました「もっと儲けたい人のテクニカル指標徹底活用法」東洋経済新報社が5月24日発売とのことです。http://www.toyokeizai.co.jp/CGI/kensaku/syousai.cgi?key=newbook&isbn=73234-9

昨日私のもとにも送られてきましたが色々なテクニカル指標があるのですね。勉強させていただきます。

一般書店に並ぶ本ですので是非お求め下さい。



今週のメールマガジンでは新日鉄とソニーをとりあげます。ともに連休の追加号でとりあげたかったのですがいくつか悩むべき点もあり、先延ばしとしたのであります。ともに上げ相場を楽観視するためにはいくつか確証を得ねばならないことが多いかと思います。ご期待ください。


日経平均株価については5月末まで改めてコメントすることも無く困っていますが明日何とかまとめます。

明日は久しぶりに子供達を連れてきますので、あまり仕事になりそうにありませんが。

雑文

05年4月12日、14日、15日、6月1日に「上海B株」と題して一目均衡表について解説しました。http://ameblo.jp/ichimokusanjin/theme4-10000321286.html


中国株をとりあげた理由は義父が中国株に全てを賭けたことがきっかけでありまして、


ちょうどグラフ上では100ポイントの位置ではなかったかと思いますが、いくら上げていく確信があったとしても、勝負すべき場所ではないという意識が強く残っていたために書いたものであります。


義父は相場とは無縁の人でありまして、私の仕事も良く知らぬのでありますが、ふとしたきっかけで、中国株に投資することを思い立ち、全てのことを自分で決め、現金の全てをペトロチャイナをはじめとする中国株に投資しました。

日本の高度成長期を体感している人ですから、中国もそうなると信じていたようです。

相場が底値に至る過程では、株価は半分以下となり、配当金や増資などで何とか損失が4割程度ですんでいる、という時も、自分は長期投資だから一喜一憂しないとして、日常を過ごしていましたが、気が付けば倍以上になっているようで、私も身内のことですからほっとしています。


父がこれに味をしめて安易に走らぬことを知っているからほっとしているのでありますが、そういう人であっても損失が大きくなったときは自分を見失いがちになるものでありまして、相場を知らなくとも大変立派であると尊敬しているのであります。


義父は結果を残しましたが、それでも私は入り口を間違えてはいけない、ということだけは強調せねばなりません。


久しぶりに余裕もありますので来週あたりニューヨークダウの変遷を辿って見ようかと思います。長らく中国株をほったらかしにしていた反省もありますが、NYダウもまじめに調べるのは4年ぶりになりますので直感的にはという点、ご了承を。




お知らせ

 フォーチュンレポート更新されました。ご覧下さい。http://www.fortune-capital.co.jp/index.php?pageId=383&cms_showRelease=1&cms_release_id=1613



6月の勉強会は6月23日3時から6時までを予定しております。

詳細は追って告知します。



最近「逆張りという発想」という宣伝文句が気になります。

N社の宣伝にしては違和感があるということと、巡張り、逆張りという言葉が安易に一般化することへの危惧であります。

方向性に賭けるという発想、確信度を高めるという発想に向かわないものでしょうか。


最近言葉だけ色々知っている人が多く対応に困ります。

私が何も知らぬということもありますが、どうもそれらの言葉が有機的に結びついていないように見受けられるのです。

今日ご紹介しました「行って知る」は原著の抜粋でありますが、この文章で山人は「幼稚なる生活者」と称しています。

しかし山人は幼稚ではあっても生活者としての出発点を大事にせぬものを決して評価せぬ人であります。むしろ山人ほど生活者としての思考を大事にした人はいません。

出発点こそ単純にすべき。これはプロもアマも同様と私は考えます。



行って知る

 人間の生き方、考え方につきましては、素よりいろいろあるでありましょう。幼稚なる生活者の出発点といたしましては、知って行う。というよりも行って知る。ということも決してバカにならぬことであります。

中略

とくに若い人々が、成長するに従って、何かを経験し、その経験を積み重ねて、いわゆる体験して行くこと。そこからいろいろの知恵が生まれてくるのでありましょう。その意味におきましては、知って行う。というよりも「行って知る」ということの方がはるかに正しいでしょう。


 およそ50億年前からの生物の発達を考えると、たしかにその方が正鵠を得ているとも考えられます。

 それこそは正に本能的とも言うべきでありますが、私は相場にも相場の本能がある。と考えています。


 相場が人によって動かされるものであるか、あるいは相場それ自身が動くものであるか、もちろんその何れでもありましょうが「彼れ自身の真」。相場自身が自己表現のための変動。これを私は自然の相場。と申していますが、これこそは、相場の本能的変化。だと思うのであります。

 このことはこれだけ申し上げて、アトは皆さんのご研究をお願いするといたしまして、先ず「行って知る」ということは、云うまでもなく極めて幼稚なる生活方法でありますが、しかし、昔からこの相場社会におきまして、いわゆる、「相場師」なるものは、そのほとんどは、この「行って知る」部類に属するのであります。


 とは申しましても、それは決して知らずして行うものではありません。知った上にも知りながら、その知ったものの確かさを調べて見ようとするものでありまして、いわゆる「味ぢ」を知らんとするものであります。決して子供の成長過程におきますような幼稚なものではなく、極めて高度の知性によるものであります。


中略


 これだけ申しますれば「行って知る」ということこそ、「行うことの難き」を本当に知っているからでありましょう。

皆さんかりそめに行って、儲けられた方ほど、やがてかりそめに行って、儲けの何倍かの損をされるにキマッテイル。とお思いになりませんか。よくよくお考え下さって、本書を心ゆくまでご勉強ください。



一目均衡表完結編  


4月20日掲載の続き部分です。

雑文

随分休んだ気がします。

あまりかじりついていても効率は悪いという事なのか、久しぶりに快調に仕事がはかどっています。

今週のメールマガジン個別銘柄解説は新日鉄をとりあげます。

鐘化の続きもさきほど書いたので、今週はゆとりを持って仕事が出来そうです。



さて日経平均株価ですが良い形にはなっているといえそうです。ただし時間が大きく残されているわけではありませんので、18100円どころの計算値を達成できず時間切れでは相場の悪化も当然考慮に入れねばなりません。

明日はユーロ円について書く予定です。

雑文

フォーチュンレポートhttp://www.fortune-capital.co.jp/index.php?pageId=383&cms_showRelease=1&cms_release_id=1609 更新しました。ご覧下さい。


メールマガジンは明日配信いたします。

連休はこれまでの相場とご自身の対応を整理する良い機会であります。色々と大変かと思いますが、なるべく時間を割いてご研究ください。


先日の読書会で特にうれしかったのは、読者の方で大いに結果を出せていると伺ったことであります。

私は生半可な読者の「儲けた」は心配のほうが大きいですが、長年整理しつづけたかたの言葉であります。

原著だけでなく、私ごときからでも益すことがあったと知り、大変うれしく、感謝しております。


連休は自宅ですごしますので、ブログの更新は7日からということになります。良き休日をお過ごしください。

読書会のこと

 28日の読書会出席の皆様、長い時間お付き合いいただきまして、ありがとうございました。

この会をきっかけに新たに原著読者となられた方もおり、改めてやる気を頂いた会となりました。

鐘化解説は、メールマガジンでしばし続けていきます。28日の会で予定していた解説をコメントし終えたら次の読書会を予定したいと思います。



為替は明日書く予定であります。

せっかく意欲が出ていますので、メールマガジンも臨時号を出す予定です。